群馬県認定農業者連絡協議会
ぐんま“いきいきファーマー”研修会を開催しました
1月21日(火)の「令和元年度ぐんま“いきいきファーマー”研修会」は、約170名の方に参加いただき、盛況に開催出来ました。
群馬県認定農業者連絡協議会 松井会長から主催者あいさつをいただき、第1部ではフードサービスコンサルタント 梅谷 羊次 様に「外食産業の最新動向から考える農業のマーケティング戦略」と題してご講演いただきました。第2部では、なの花経営研究所所長 伊能 賢一 様に「雇用導入の心構え~求人と採用の秘訣~」と題して御講演いただきました。
▼第1部 講演の主な内容
〇 遍歴
- ロイヤルホスト直営1号店店長。
- グリル&レストランバー シズラー 分社社長として経営再建を手掛ける。
- ロイヤル(株)取締役、ロイヤルHD退職後(株)オフィス梅谷として独立。
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〇 レストラン業が持つ役割と変遷
- 日本の外食産業は物を作れば売れる時代から顧客のニーズに応える時代への変遷を経て、社会や地球環境へ配慮する時代へ。
- シズラー再建の際に食材の原産国と産地に加え、生産者も表示することで安心感を提供。
- レストランは顧客にとっては自宅に代わる団らんの場所、思い出づくりの場所であり、生産者にとっては自分の生産物の成果発表の場。
→レストラン業は食育業であり、子どもの食育や高齢者の共食の場を提供する役割を持つ。
- 健康志向に対応したヘルシーメニューの導入のほか、塩分や野菜含有量を表示する店舗も増えている。将来的に環境配慮の一環として、食材を生産するために排出された二酸化炭素量の表示も行われるのではと予想。
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〇 農業との関係
- 外食産業全体の食材仕入額は売上高の約3割(7兆5千億円、輸入含む)。農業の総生産額は約9兆円。
- 外食用の野菜は価格や量の変動が少なく、形状のバラつきにも柔軟に対応できる。品質やブランドで国内産野菜の需要は増加しているが、安定かつ低コストの海外産も多く使用されている。
- 海外食品スーパーではカット済み野菜が増加。レストランのように調理済み野菜コーナーが設けられ、客自身が取り分ける仕組みも導入。
→小売が求める野菜の種類や目的も多様化。
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▼第2部 講演の主な内容
〇 雇用の課題と対応
- 日本の労働力が増える見込みは低く、高齢化など問題も多い。
→人手不足による人材確保競争の時代、農業就労者の確保はますます困難になる。
- 人を雇う重要性を理解し、正しい知識を持って雇用の判断をするべき。
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〇 雇用労賃
- 地元(千葉)の最低賃金950円に対して、近所のとんかつ屋の学生アルバイトは時給1050円。素人であっても最低賃金では人は集まらない。
- 労働者は賃金を目的に働いていることを理解する。周囲の農家やインターネットの求人で賃金相場を知り、自分が払える限界と比較しながら、賃金表を作成する。
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〇 職場環境
- 自農場の良いところを把握しているか、アピールしているか。
→自農場で自分も働きたいと思える職場にすることが大事。
- 就業規則の制定や賃金の決定基準の明確化、作業を教える手立て(マニュアル)などの準備があれば安心感がある。
- 農業において労災が増加している(機械の増加、高齢者の増加)。労災保険と健康保険は加入漏れのないように注意する。
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〇 今後の雇用にあたって
- 従業員向けの更衣室やトイレ(女性雇用の場合は男女別)や休憩所など施設の整備を行う。
- 採用したい人物像を明確に意識し、ハローワークや有料職業紹介を利用して募集を行う。
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当日の様子
挨拶 県認定農業者連絡協議会 松井会長 |
フードサービスコンサルタント 梅谷羊次氏 |
なの花経営研究所所長 伊能賢一氏 |
問い合わせ先
・群馬県担い手育成総合支援協議会事務局
〒371-0854 前橋市大渡町一丁目10-7(群馬県公社ビル5階)
TEL 027-280-6171 FAX 027-255-6461
・群馬県農業協同組合中央会 JA群馬担い手サポートセンター
TEL 027-220-2028 FAX 027-220-2024
・群馬県農政部農業構造政策課
TEL 027-226-3024 FAX 027-225-0096